玉手箱開けたら 第9話

少しだけ時間を戻します。

私はどん底になる少し前、CHP研究会という会に出会っていました。

この会は、基本的には歯科関係の医療人の集まりで、クリニカルヘルスプロモーションという

考え方をもとに、人々が自らの健康をコントロールし、改善できるように応援することができるようになる

会です。

特に自分が興味を持ったのは、コミニュケーション能力を高める力を学べるところでした。

その中でも聴く力(聞くではない)、漢字があらわすように、耳と目と心で相手に寄り添ってきくという

やり方を学びに行きました。

長女の不登校をなんとかしたくて、始めましたが、自分以外の他の人たちは別の目的がありました。

通常は、自分の歯科医院をより良くするためや、スタッフ、患者さんとの人間関係を良くするために

参加していることが予想されました。

当時の私はかなり、異質で変わり者?だったのではないでしょうか。

それでもさすが聴く力を高めようとしている人たちは違います。

月1回のセミナーや懇談会は私にとって、至福の時間でした。

何より、自分自身をさらけ出せる環境は、とても楽でした。

そして自分の気持ちをひたすら聞いても聴いてもらい、応援してもらいました。

この仲間との出会いがなければ、私はどうなっていたかわかりません。

私自身、まだ聴く力は弱いままですが、今も少しづつ鍛えています。

本来であれば、これでコミニュケーション能力が上がり、長女の不登校も治り、

はい、おしまい、だと良かったのですが、現実は甘くはありません。

なかなか上手くはいかず、セミナーの講師にどうすればいいか尋ねたところ、

関西弁で次のように言われました。

“コミニュケーションはなあ、カミさんや子供ととるのが1番難しいんや、

それがバッチリできたら、怖いもん無しやでー“

なるほどと思いながらもショックでした。

そしてもう一つ、自分が源泉という言葉。

これは、全ての問題は、自分自身が作り出していると言う考え方です。

この考えでいくと、自分が変われば未来が変えられることになります。

これらの思いを胸に6ヶ月間学び、その集大成として、修了式がありました。

妻と子供3人を呼び、長女に向けて気持ちを訴えました。

たくさんの仲間の前で、何かが変わると信じて。。。

しかし、その考えは、甘かった。

自分としては、達成感があったのですが、後で次女から言われた言葉が全てでした。

“あれじゃ、さらしもんだよ、気持ちいいのはパパだけじゃん!“

ショックでした。

我が身の不甲斐なさに落ち込みました。

自己満足だったのか、思いが足りなかったのか、誰のための発表なのか悩みました。

そして、答えが見つからないまま、CHPから離れ、悶々とした日を過ごします。

その間、妻は病気になり、私は働けなくなり、母が亡くなり、薬にはしり、、、、、、

自分の考えられるどん底まで落ち、一つの答えにたどり着きました。

玉手箱開けたら10話に続く

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