モカの旅立ち

朝、診療所に着いた時、スマホが鳴り、モカの心肺停止が告げられた。

急いで来てくださいと言われるが、仕事を放り出すことはできず、

妻に任せた。

心肺蘇生の話も、あまり乗り気ではなく、もうやめて欲しいとすら思った。

もう、十分頑張ってくれた。

もう、静かに眠らせてあげたい。

そんな思いが、湧きあがった。

4歳の時に、てんかんを発症し、一時は動かなくなって、亡くなってしまったと、

号泣している間にまた動き出して、歩いでビックリした。

てんかんと言うものが、よくわからなかったので、焦った。

あれから7年と少し、たくさん検査をし、薬をかえ、量を増やし、

卵巣嚢腫や子宮水腫になり、手術もたくさんした。

てんかんは、ここ4ヶ月ぐらいは、全く出なくなっていたので、

よくなっていると勘違いしていた。

吐いた時でさえ、また変な拾い食いをしたのかな、くらいに軽くみていた、

妻が心配して、夜間に救急で連れて行き、思っていた以上に状態が悪いことに

愕然とした。

11日の入院の末、旅立ってしまった。

母の命日に、モカは3つ子として生まれ、お腹がツルツルで触るのがとても気持ちよかった。

モカっパラと呼ばれて、みんなを楽しませてくれた。

性格は少しキツく、よく次女のココアと喧嘩をしていた。

人にはとても従順で、人懐こかった。

いつもココアと2匹で私のベッドで寝ていた。

抱き枕の上で寝るのが好きで、時々寝返りで落ちていた。

ここしばらく、ココアと寝ていたが、やはり夜中にモカを確認してしまう。

てんかんが起きると、ココアが教えてくれた。

明日から、もういないと思うととても寂しい。

しばらくは、仕方ないかな。

11年と4ヶ月、楽しませてくれて、ありがとう。

幸せな時間でした。

4歳のモカ

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